早くこの夢が現実になってほしい。
55話のあらすじ
花を手にして、草原にたたずむアデル。何の刺繍も施されていない、素朴なワンピースを着ています。
そこにやってきたのは、同じく花を手にしたリオネル。アデルと優しく呼びかけ、アデルを抱き上げます。
そこで目覚めたアデル。目にはうっすら涙が浮かんでいました。
朝になり、アデルは身支度を整えて重臣会議に参加します。その姿は誰よりも優雅で、威厳が漂っていました。
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本当に、ため息が出るほど美しい皇后陛下。単なる美人というのではなくて、皇后としての威厳が漂っているのです。本当にお美しいです。紫色のドレスが良くお似合いです。
ヴァルドロ公爵、グランド公爵、リオネルが迎えにきて、重臣会議へと足を運びます。リオネルは今日からヘルベルト侯爵です。
さて、いよいよ会議が始まります。皇帝はリオネルが目障りで仕方ない。
デスポーネ公爵が、ヴァルドロ侯爵はリオネルに補佐官を辞めるように言っているはずなのに、今になって侯爵位を継承したのは、自ら皇后陛下のそばにいたいという意思表示だと皇帝に吹き込んでいたから、まあその通りなんだけれども、皇帝は今まで以上にリオネルが気に入らないわけです。
今日の議題はカルヴァン伯爵領について。以前、伯爵が助けを求めてきたのに皇帝は断っていました。
今すぐ助けに行かないとというグランド公爵と、必要ないというレノックスが対立していると、帝国の貧困街をなくすには塔を全て破壊するしかないとアデルが発言します。
なぜそこまでして…と思う皇帝。
いや、おかしいでしょ。
あなた皇帝ですけど。貧困街を無くすのは、あなたの義務であって、「なぜ」とか思ってる場合じゃない。
リオネルやヴァルドロ公爵、グランド公爵が援護射撃。私が間違っていると?と皇帝が言うと、グランド公ははっきり「はい」と答えます。
こういう人がアデルの味方について、本当に良かったと思います。
すると、重臣の前で皇帝である私をコケにしたと腹を立てる皇帝。
ほんとに、単なる子供です。皇帝じゃない。
皇帝が考えるのは自分のメンツじゃなくて、国民の幸せであるはずなのに。皇后陛下とは、根本から違っている。
この後に及んで、考えているのはリオネルのこととか、自分のプライドだけ。情けないったらありゃしない。
そこでアデルは、自分なら2年以内にすべての塔を破壊できると宣言します。
おー、やっちゃってください。他に頼れる人はいない。
騎士たちや貴族たちが心酔するのは当たり前ですね。
・リオネルが「アデル」と呼んで自分を抱きあげる夢を見ていたアデル
・重臣会議でカルヴァン伯爵領について話し合うも、魔法士側は協力しようとしない
・自分の方針が間違っていると指摘されて、コケにされたと腹を立てる皇帝
・自分なら2年以内に塔を全て破壊できると宣言するアデル
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