
有能なメイド・ルシルが理不尽な解雇を受け、森の奥に住む無口で無愛想な魔法使い・フィリスの屋敷で再就職するところから始まるスローライフ恋愛ファンタジーです。
無料分を読んで、一気に最後まで課金してしまった。
なんと素敵な作品なのでしょうか。
・漫画:梨川リサ
・原作:yokuu
「永年雇用は可能でしょうか」は、「小説家になろう」発の人気作品をコミカライズしたものです。
LINEマンガ、ebookjapan、ブックライブ、ピッコマなどで読めます。講談社から紙の本も発売されていますよ。
私は、ブックライブでクーポン使って購入した後、結局Amazonでもポチりました。

原作小説・WEBコミック版とKADOKAWA版の違い
ここで、重要なことがありまして。
私が読んだWEBマンガですが、原作小説は、「小説家になろう」で連載されていた作品と、KADOKAWAから出ているライトノベル版があるということ。
内容が少し違うのです。
どちらも面白そうなので、両方読んでみたいと思っています。
WEBコミック版あらすじ
ルシルが理不尽な理由でメイドをやめさせられるところから話はスタート。遠い街に引っ越し、再起を図るべく見つけた就職先は、魔法使いフィリス師の屋敷でした。
フィリスはまったく愛想がなくて、使用人を雇ってもすぐにやめてしまう気難しい人なのですが、街の人たちからは「先生」と呼ばれ慕われています。
そんなフィリスとの共同生活が始まり、ルシルは仕事にもやりがいを感じているのですが、前の屋敷の主人がルシルを探してこの街まで来ます。
「永年雇用は可能でしょうか」の感想(ネタバレ含む)
※ネタバレあります。
ルシルと先生が、少しずつ心の距離を縮めていくのが、なんとも微笑ましい。
先生は非常に寡黙な人なので、普段はほぼしゃべらない。
つまり、先生のセリフはほぼないのですが、それでも厳しいようでとても優しいお人柄が伝わってくる。
作者様の力量でしょうね、これは。
魔法使いのおじいちゃんがなぜ「先生」と呼ばれているのか。
それは、昔村が大変だった時に、人々に自分でなんとかできる知識と技術を授けてくれたから。
その時の恩を忘れず、ずっと「先生」と呼んでいるのです。
チャチャッと魔法でなんとかしてあげる方が簡単だったかもしれない。
でもそれじゃ、自分で自分を守れなくなるから、先生は石鹸の作り方を教え、それが今や村の名産となって、人々の生活をささえている。

真摯なお人柄だなと思います。
途中、前の雇主にしつこくされそうになったルシルを守るために、先生が魔法を使うんですけど、これがとても珍しいらしく。
数十年ぶりだそうですよ。
それほどに、ルシルのことが大事になってきた証拠ではないですか。
この辺りから、先生の気持ちも少しずつ変わっていたのではないかと思うのですよ。
でもこの歳の差だし。
今さら、恋だの愛だのということは考えなかったと思うけれど。

でも、ルシルの方が気持ちを抑えられなくなっちゃう。
いつも言葉は少ないけど、すごく優しい人だってこと。
一緒に暮らしてたらわかりますよね。
年齢が離れていても、ルシルが好きになってしまうのはわかる気がする。
最後、タイトル回収のところが良かったな〜。

先生の誠実さが。ほんとにすてき。
ルシルが「永年雇用は可能でしょうか」と聞くんだけど、先生は悩みに悩んで、「解雇」という結論を出します。
「家政婦」じゃ君に応えられないから!
先生の言葉が、愛が、深い。
確実にルシルの方が先にこの世をさるのに、その死を自分に耐えさせ、来る日を怯えて過ごせとは、なんと酷なことかと。
それでも先生は、ルシルといることを選んでくれたのね。
すごく素敵な物語でした。
今回読んだのは、WEBマンガ(講談社)の短話版なのですが、分冊版だとその後のお話もあるみたいなので、読んだらまた感想をアップしたいと思います!

