
もうすべてが遅い。
112話のあらすじ
馬車の中で、グレディスとの離婚に関する話は、国家同士の機密事項だったと話すビョルン。
すべてを打ち明けようと決心したあの日、エルナが流産してしまったため、今さら話しても無意味だと考えていましたが、振り返ればそれは、逃げただけなのかもしれないと思います。
ビョルンの言葉を聞いて、自分に話せば機密を漏らすことになると思ったのかと反論します。自分が苦しむ姿を一番近くで見ていたのにと、納得がいかないエルナでした。
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112話の感想(ネタバレ含む)&次回考察
あーあ。ここまできてもなお、エルナの気持ちに寄り添えないバカ王子。
もしもあの本が出版されなかったら、機密は機密のままだった。エルナもその子も、グレディスの陰で苦しんだでしょう。
そう言うエルナに、「そうだろうな」って答えるビョルン。
そうだね、そうかもしれない。たぶんビョルンは、なにがあっても機密を漏らすことはなかったと思う。
しかも。
「もうすべて解決したじゃないか」という。
何も解決していないのに。エルナの心はすでに死んでしまったのに。

あーあ。こんなこと言われたら、もう何も言えないですな。
それでも、エルナは勇気を振り絞って、「お願いです」と言うのですが、ビョルンがキスで塞いでしまう。
エルナは何を言おうとしていたのだろう。
こういうとこよ。エルナに全く寄り添っていない。相手の話を聞こうとしていない。
説明して欲しいと思ってた時には何も言わず、もうどうでもよくなってから、いくらでも話すけどとか。
この期に及んで、国家機密だったからと自分を正当化してるし。

すべて解決したどころか、一つも解決していない。
さて、寝室は順調に改装されていました。応接室も。
すべてが日常に戻りつつある。エルナの心以外は。
インテリアを担当したディクスさんという人、すっかりエルナに見惚れていて、フィツ夫人が呆れてイライラするほど、熱心に寝室について熱弁!
エルナ、見た目にはすっかり元の美しい大公妃に戻ってる。
見た目は。
でも、心は。
明日が、ビョルンがくれた猶予の最後の日。
今日中に、この寝室に戻ってこなくてはならない。
そう思ったエルナの姿が、真っ黒に描かれている。
作者様、この表現力のなんと素晴らしいことか。
最後のこの絵で、エルナの心情が見事に表現されていると思います。
・グレディスのことは国家機密だったと自分を正当化するビョルン
・すべて解決したじゃないかと言われてしまう
・寝室が改装され、部屋に戻らないといけない期限がきて、心が真っ暗になるエルナ
→113話へ続きます。

