
ヴィンセント、がんばれ。
6〜7話のあらすじ
「なぜここへきたのか」と、はじめて、ヴィンセントからポーラに話しかけてきました。お金を稼ぐためだと答えると、お金を握らせれば出ていくのかというヴィンセント。
そういいつつも、ポーラがどこからきたのか聞き、少しずつ会話をしていきます。
ポーラにとっては、ここへくる道のりでさえ、童話に出てくる冒険者の気分だった。貧しかったポーラにとって、本を読む事自体が夢みたいなこと。子供の頃、本屋で働いた時に読んだ本の一節をまだ覚えていて、ヴィンセントの前で暗唱して見せました。
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6〜7話の感想(ネタバレ含む)&次回考察
その生い立ちに、天と地ほどの差がある二人。でも何か通じるものがある気がする。
ポーラが暗唱したのは「愛の哀しみ」という本の一節で、子供でも読む本らしいですが、この本の話をきっかけに、二人の距離が縮まる!?
目が見えなくなってから本は読まなくなったというヴィンセントに、自分が朗読すると申し出るのですが……それからが大変だった。
何を読んでも、1行で「つまらない」とヴィンセントが言うから。

でもヴィンセント、意外に楽しんでいるのではないかと思います。ポーラとの時間を。
けっこう、心を開いてるね。
たぶん、目が見えないからと言って同情したり、腫れ物に触るような態度をしたりすることがないからでしょう。
自分が辛い境遇にある時、同情されるのっていやですよね。惨めな気持ちになるから。侍女なのに、立場も弁えずガンガンくるポーラに、ある意味、安心しているのではないかな。自分の感情をストレートにぶつけられるから。
ぶつけられる方はたまったもんじゃないけれど。
その夜、どん!と壁を叩く音?ヴィンセントは悪夢を見たらしい。ポーラがそばにいて落ち着かせようとしますが、夢は夢、すでに起きたことはなんとか乗り越えようと言うポーラの言葉にさらに激昂してしまうヴィンセント。
この地獄をどうやって生きればいいのかと。

たしかに、目が見えない人の気持ちは、目が見える人間にはわからない。暗闇がどれほど辛いのかも。
簡単に、乗り越えよう♪なんて言えることではないのですな。
それならと、耐えるか諦めるか、どちらを選ぶかは本人の自由だと言うポーラ。
辛いなら死んでもいいよと言ってくれたのは、ポーラが初めてでしょうね。だからこそ、ヴィンセントはポーラ相手なら弱音を吐けた。
この日、ヴィンセントの中で何かが変わった気がします。
少しは生きる気力が出てきたでしょうか。
あんなに自暴自棄になっていても、本当は生きたいと思っていたはず。でもうまくいかないことばかりで、なんの希望も見出せなくて、部屋に閉じこもっていたけど、ポーラのおかげで一歩踏み出せそうですね。
・ヴィンセントが初めて自分からポーラに話しかけた
・ヴィンセントは悪夢にうなされる
・ポーラはヴィンセントを落ち着かせる
→8話へ続きます。

